7月15日海の日、恒例のよみあげ法要(投げ銭供養)を行ないました。
連日雨が続いていましたが、朝には何とか雨もあがり、行事本番を迎えました。
暑い中、たくさんのお参とお手伝いをありがとうございました。
↓写真集↓
以下当日の流れ(など)です。
今回のお話は、裳掛地区コミュニティ協議会会長の服部靖様に『裳掛地区の村おこし』と題してお話し頂きました。
朝日寺の檀那集落もいくつかある裳掛地区は、「移住の受け入れ活動」を大変熱心に行なっておられます。その活動の内容や思いを伝えて頂き、我が故郷の取り組みとして、皆様にも興味深いお話しでした。
御詠歌の奉納。今年は「散華(さんげ)」「庄田山朝日寺」「追弔和讃(ついちょうわさん)」の3曲を仏前でお唱えさせて頂きました。
以下3曲の詞です。
『散華』
雨風あられいといなく たえ忍びたるかいありて
白赤黄ととりどりに 咲き乱れたるわが園の
清き花びらつみとりて 花籠にもりてみ仏に
いざ散華せんもろ共に 御親たたえて供養せん
『庄田山朝日寺』
のちの世の 知遇をここに 庄田山 あさひの陰に 消ゆる露霜
『追弔和讃』
人のこの世は永くして 変わらぬ春と思えども
はかなき夢となりにけり あつき涙のまごころを
みたまの前に捧げつつ 面影しのぶも悲しけれ
しかはあれども御佛に 救われて行く身にあれば
思い患ろうこともなく 永久かけてやすからん
南無大師遍照尊 南無大師遍照尊
暑い中お手伝い下さった総代さま。
行事が終わった後もミニ総代会を開き、今後の改善点なども話し合い行事が無事終了致しました。
【後記】
今回の行事が、朝日寺にとって令和時代初めての行事でした。
江戸時代から続いてきた、この投げ銭供養も新しい時代に入ったわけであります。
改めて思うのは、
「時代が変わっても、実は人々の心はそんなに変わっていないのではないか!?」
そして
「これからの時代にもこういった地域民俗信仰をいかに伝えていくか」ということです。
時代の変化は仏事にも及んでおり、葬送や供養のあり方についての情報が氾濫しております。 氾濫した情報に翻弄されてしまう方がおられることについて、私一人ではすべてを解決できるわけでもないのが大変歯がゆい所です。ですが今日のような光景を目にすると「人々の心は300年前と変わっていない」と思っております。
この大切な思いが続くよう、お寺としても出来る事を鋭意取り組んで参ります。
【さらに個人的後記】
金融関係にお勤めの方から「朝日寺の投げ銭供養のお賽銭の両替をしに窓口に来られた方がいましたよ」というお話しを近年耳にすることが多くなりました。
キャッシュレス化の社会。以前より小銭を持ち合わせる機会は減っているのかもしれません。 既に、“電子マネー賽銭箱”が導入された寺院もあります。
キャッシュレス化が進むと投げ銭供養は消えるか!?と思ったりもしますが、どうなるのでしょうか…。
でも先の話で「銀行に両替しに行ってまで投げ銭を用意する人が居る」ということは「お賽銭を投げる行為に供養を感じる」という気持ちが昔と変わらないことを意味する、この気持ちが続くならば、この風習は続けていけると考えたりします。そんな令和元年の投げ銭供養でした。
最後に、今年初盆の新仏さまには、生前いろいろとお世話になった方ばかりです。改めて心よりご冥福をお祈り致します。ありがとうございました。
なお、今回の投げ銭供養の様子が取材を受けました。
ニュース番組や新聞に出る予定とのことです。
本日お参りされた方や地域の皆様には、取材を受けるほどの独特な古い風習が今なお続いている、ということに誇りを持って頂けたらありがたいです。